自治体と施設の関係をみてみる。自治体は施設をどのような位置づけにとらえ、活用しているのだろうか?【図5】に、設置効果の評価手法の上位を施設別にランキングでまとめた。同じ手法を色分けで示しているが、いずれの施設も「来場者・利用者数の達成」が最も多い。次いで「来場者・利用者の満足度」が多いが、道の駅・物産館・観光案内所 では、「売上げ・利益達成」や「観光客数の増加」が満足度を上回っており、観光や物産面での成果をより重視する傾向にある。また博物館と資料館では「その土地の文化や風土のイメージ形成」、動植物園と水族館では「観光客の増加」を成果として評価する割合も高い。
【図5】施設の設置効果の評価手法(各施設ごとに上位5項目を掲載)

【図6】施設の課題(各施設ごとに上位5項目を掲載)

このような課題を踏まえ、施設への施策の活用・導入意向としては、「ユニバーサルデザイン化」、「バリアフリー化」など誰もが利用しやすい環境の整備とともに、「スマートフォンやタブレット端末などを活用したサービスの導入」や「TwitterやFacebookなどを活用した情報発信」などが上位に挙げられた。最新の機器やインターネットを活用し、施設の積極的な情報発信やサービス向上を狙う姿勢がうかがえる。
【図7】施設への活用意向

加藤 昌俊